キャンプに行って焚き火をしたいけど、灰の処理はどうしたらいいの?
初めて焚き火をするときはわからないことがたくさんありますよね。
キャンプ場によって、灰捨て場があったりなかったりするので、灰捨て場がない場合には、自宅に持ち帰って処理しなければいけません。
焚き火の後、正しく火を消さないと再発火して火事になる恐れも!
でも安心してください!
焚き火の処理って実はそんなに難しくないので、タイムスケジュールを考えて、薪にちょっと工夫するだけで大丈夫!
この記事では、安全に灰を処理する方法と、自宅に持ち帰る方法をご紹介します♪
焚き火の灰処理が重要な理由3つ‼
焚き火をした後の灰をきちんと処理しないと、環境に良くなかったり、次のキャンパーに迷惑がかかったりします。
キャンプは、来たときよりも美しく!が基本中の基本‼
キャンプで焚き火を楽しんだ後は、きちんと灰を処理して、みんなが気持ちよくキャンプ場を使えるようにしましょう♪
この章では、灰の処理が重要な理由を3つ紹介します。
灰は自然に還らない!土に埋めるのは絶対にダメ!!
炭や灰はもとは木なんだから、土に埋めたら自然に還るんでしょ?
確かに、もともとは木なのですが、一度炭になったら自然には還らないのです。
少量なら土壌改善にも使えるのですが、あまりにも量が多いと土壌や河川を汚染してしまうこともあるので、環境を守るためにもきちんと処理しましょう!
炭や灰の処理をきちんとしないで灰捨て場に捨てたり、地面に放置したりするマナーの悪いキャンパーもいるようです。
そういった行為が続くからと、キャンプ場が閉鎖してしまったというケースもあるそうです。
環境にも人にも配慮してマナーを守り、みんなが気持ち良くキャンプできるようにしたいですね。
灰処理をきちんとしないと次に使う人や管理人の迷惑に
灰は自然には還らないので、放置してしまうとその場に残ってしまいます。
灰がそのままになっている場所にはテントを張ることができないので、次のキャンパーは困るんです。
また、キャンプ場の管理人が整備する際にも、灰が残っていると片付けの手間になってしまいますよね。
上の写真は実際の廃捨て場で、ブロックで囲われていますが、場所によっては石が積んであったり、ドラム缶を半分に切ったものだったり形は様々です。
「火が消えていないものは捨てられません」と注意書きもありますね。
実はこの写真は鉄板が捨ててあって、マナー違反なんです。
使う人、管理する人みんなが気持ち良く使えるように、マナーをしっかりと守りましょう!
きちんと消火しないと火事になる可能性がある
全ての炭を燃やし切って鎮火させるのが、焚き火の基本です。
表面だけでなく中までしっかりと鎮火できているか、灰を細かく砕いてチェックすると安心です。
万が一きちんと鎮火できていないと、また燃え始めてしまい、火災の原因になることがあるので、責任を持って処理しましょう。
焚き火の灰処理方法を知って正しく消火しよう
焚き火ででた灰の処理はキャンプの基本です。
環境に配慮して安全に鎮火する処理方法をしっかりと調べ、ルールを守って正しく処理しましょう。
間違った方法で消火すると危険な場合も‼
難しいことはないので、この記事を読んで炭や灰の安全な処理方法を覚えて、焚き火を楽しんでくださいね♪
安全な火の鎮火方法と、やってはいけない処理方法についてご紹介します。
薪や炭は自然に燃え切るのを待つのが基本!
1番簡単で1番安全な方法は、灰になるまでひたすら待つことです。
薪を完全に燃やし切るまでには、2〜3時間かかってしまいます。
薪を細めにしておくひと手間を加えると薪が燃えやすく、燃え残りづらくなるのでぜひ試してみてください。
また、就寝時間やチェックアウトの時間から逆算して、火をつける時間や薪をくべる量を考えましょう。
時間までに鎮火できず、慌てて消さなければいけないという事態になると大変です。
どうしても時間までに鎮火できない場合には、火消し壺など専用の道具で鎮火する方法もあります。
その場合には、必ず耐熱グローブや軍手をして、火傷しないように注意してください。
時間のない時には水を入れて鎮火する方法もある
どうしてもチェックアウトの時間に間に合わない!という場合には、水に入れて鎮火する方法も。
炭を水の中に入れて30分くらいおくと、消火もできて冷めるので安全に持ち帰ることができます。
まだ火が消えていない炭を、一度にたくさん水の中に入れると、水が跳ねたり、水蒸気で火傷をしたりととっても危険です!
危険なのであまりお勧めできません。
炎が出ていなくても炭はものすごく熱いので、火バサミなどで一つずつ静かに水に沈めましょう。
勢いよく入れるとジュッ!と水が飛び散り、水蒸気がたくさん出て、火傷をしてしまうかも‼
勢いよく入れると水が飛び散り、火傷をしてしまうかもしれません。
続けて炭を入れる場合でも、バケツの中や炭の様子を見ながら慎重に入れてくださいね。
また、プラスチックのバケツは熱に耐えられず穴が空いてしまう場合があるのでおすすめしません。
荷物が増えてしまいますが、金属製のバケツが間違いありません。
灰を土に埋めるのはやめよう!土壌汚染の原因に‼
灰は自然には還らないので、土に埋めてもただのゴミになってしまい、土壌汚染の原因になってしまいます。
灰は土壌改良に使われる場合もあるのですが、その場合は少量ですし、たくさんの灰が同じ場所に埋められたらただのゴミです。
灰捨て場のないキャンプ場もあるのですが、その場合は必ず責任を持って持ち帰り、分別して捨てましょう。
灰を持って帰りたくない場合や初めて焚き火をする場合は、灰捨て場のあるキャンプ場を選びましょう!
下の写真は、先日行ったキャンプ場の地図です。
赤く丸をしたところが灰捨て場です。
地図の実際の場所には、ブロックで囲われた灰捨て場に、看板と注意書きがありました。
キャンプ場を決めるときに、HPで確認しましょう!
そして、予約するときに灰捨て場の近くのエリアを選べると、片付けの時に移動が少なくて楽ですよ♪
焚き火台は必ず専用の洗い場で洗おう
灰の処理が終わったら、焚き火台をきれいにしましょう。
絶対に焚き火台を炊事場で洗わないでください‼
炊事場は調理道具や食材を洗うところなので、焚き火台は焚き火台専用の洗い場で洗ってください。
炭や灰で汚れた焚き火台を炊事場で洗ってしまうと、排水溝が詰まってしまったり、シンクが汚れてしまったりします。
焚き火台用の洗い場がない場合は、焚き火台が冷めてから汚れを拭き取り、自宅に帰ってから洗いましょう。
上の写真は、鉄板や焚き火台専用の洗い場で、後ろに見えているのが通常の食材や食器などを洗うための洗い場です。
上の写真は通常の洗い場です。
このキャンプ場は丁寧に、「焚き火台の洗い場はここじゃありませんよ〜」と注意書きをしてくれています。
みんなが気持ち良く、綺麗に使えるように気をつけましょうね♪
焚き火の灰を処理して自宅に持って帰る方法3つ
この章では、灰が完全に鎮火した後、灰を安全に自宅に持ち帰って処理する方法をご紹介します。
キャンプ場に灰捨て場がある場合には、キャンプ場ごとのルールに従いそこに捨てて問題ありません。
でも、キャンプ場に灰捨て場がない場合には、灰を自宅に持ち帰ってから自治体のルールに従い分別して処理しましょう。
火消し壺に入れて安全に持ち帰る
炭や灰が処理しきれなくても、火消し壺があれば安全に消火することができます。
火消し壺に入れる前に、炭の温度をできるだけ下げて、安全に持ち帰る準備をしましょう。
火消し壺の蓋をしっかり閉めると、酸素が遮断されて自然に鎮火します。
火消し壺や火バサミで作業するときには、必ず耐熱グローブをして火傷しないように注意しましょう。
持ち帰るときだけでなく、寝る前に燃え残ってしまった炭を入れておくと、自然に消火できるので安心安全ですよ。
荷物が増えてしまうというデメリットはありますが、荷物が増えても気にならないという場合にはおすすめです♪
こちらの火消しつぼは大小の2サイズ展開で、炭を入れる量によって大きさを選べます。
サイズ | Sサイズ | Mサイズ |
素材 | ステンレス | ステンレス |
容量 | 3リットル | 5.5リットル |
製品の大きさ | 18×18×17.5cm | 22×22×21cm |
製品の重さ | 670g | 920g |
バケツに水を入れて消火する「水消火」と、密閉して酸欠状態にして消火する「酸欠消火」の2種類の方法で消火することができます。
火消し壺を入れる袋もついているので、持ち帰りの時に車を汚さずにすみますよ。
火消し袋に入れて手軽に持ち帰る
火消し壺だと自宅に保管するときに場所を取る、キャンプに持っていくには荷物が増えて困る、という場合に火消し袋がおすすめです。
入れる炭の量に合わせて大きさを選べるのもいいところ。
火消し袋は小さく畳むことができるのでかさばらず、荷物が少なくてすむというのがメリットです!
火消し壺に比べて場所を取らないし、入れる炭の量に合わせて大きさを選べるのもいい!
ただし、火消し壺とは違うので注意点もあります。
いくら熱に強いとはいえ、炎が上がっている状態で火消し袋に入れたら、破損や火災につながることもあるでしょう。
同じく、熱に強いと言っても、やはり袋自体が熱くなってしまうのは仕方ないですよね。
帰宅時間を考えて、余裕を持って焚き火を終えられるようにしましょう。
焚き火台が円形だったり、大きくて持ち上げるのが大変だったりすると、炭を上手く火消し袋に入れられずこぼしてしまうことも。
そんな場合には、金属製のスコップのような道具が必要になるので、あわせて準備が必要です。
BBQ用のアルミホイルに包んで持って帰る
BBQ用のアルミホイルは厚手なので、消火している炭なら包んで自宅へ持って帰ることもできます。
ただし、火消し壺や火消し袋のような専用の道具ではないので、あまりおすすめしません。
火消し壺や火消し袋を忘れてしまった、灰捨て場のないキャンプ場だと知らなかったなど、どうしても仕方ない場合のみ使える手段だと考えてください。
緊急事態の時はBBQ用のアルミホイルで持って帰れるという知識を持っていることは大切だと思います。
もしどうしてもBBQ用のアルミホイルを使わなければいけない場合には、必ず完全に火が消えて冷めてから、二重以上にして破れづらく、こぼれづらくしてくださいね。
でも毎回のこととなると、車に乗っているときに火災が起きてしまうリスクもありますよね。
普通のアルミホイルだと薄いので、炭や灰が完全に冷えていないと溶けてしまうことも‼
炭を持ち帰るときには専用の道具を用意するのが1番安全です。
焚き火の灰を再利用する方法6つを紹介‼
キャンプに行って焚き火をするたびに灰が出るけれど、捨てる以外に再利用できないのかな?
焚き火ででた灰は、再利用して生活に活かすことができるんです。
電気が普及する前は、囲炉裏などが各家庭にあり、灰は再利用され昔から私たちの生活に役立ってきました。
この章では、焚き火ででた灰を再利用する方法を6つご紹介します。
住んでいる地域や家庭菜園をしているかどうかにもよりますが、再利用の参考になれば嬉しいです♪
灰を水に溶かして洗剤代わりにして油汚れを落とす
灰はアルカリ性なので、油汚れを効果的に落とすことができるのです。
キャンプで使った鉄板や網についた油汚れは、焚き火ででた灰を洗剤として再利用することで、きれいにすることができます。
市販の化学物質が入った洗剤を使うよりもエコですね♪
ただし、灰が洗剤の代わりになるからといって、キャンプ場の炊事場で鉄板や網を洗わないでくださいね。
炊事場の汚れや排水溝の詰まりの原因になってしまいますよ!
灰を畑にまくと肥料として使える
真っ白に燃えきった灰は、肥料として使うことができるのです。
灰にはカルシウムやカリウムなど、植物が育つために必要な成分がたくさん含まれています。
「焼畑農業」という言葉があるように、作物を収穫したあと、枯れた茎や葉を燃やして灰にして耕すことは、肥料を与えるのと同じ原理なのです。
私の実家は稲作農家なのですが、稲刈りが終わったあとは、田んぼで藁を燃やしていました。
ただし注意も必要です。
炭や灰は自然には還らないので、大量に畑に撒いてしまうとゴミを撒いているのと同じになってしまいます。
燃え切った白い灰を、必要な量だけ撒くようにしましょうね。
灰を水に溶かして作物にかけると防虫効果がある
作物に害虫がつかないよう、灰を水に溶かしてかける方法もあります。
おばあちゃんの知恵袋ですが、私の祖母は自宅で食べる野菜の木に、灰を溶かした水をかけてアブラムシがつかないようにしていました。
子供の頃はなんで灰水をかけると防虫効果があるのかわからなかったけど、そういうことだったのか!
市販の農薬を使いたくない場合には、知っておくといいですね♪
じゃがいもを植えるとき灰を切り口に付けて消毒できる
半分に切ったじゃがいもの種芋の切り口に灰をつけると、消毒作用により腐るのを防ぐことができます。
種芋の切り口に灰をつけることで、病原菌が侵入するのを防ぎ、腐るのを防ぐことができるのです。
子供の頃、じゃがいもの植え付けを手伝っていましたが、灰に消毒作用があるなんて知らなかった!
灰は雪にかけると融雪剤として活躍する
雪の降る地域では、灰を撒くことで雪を溶かす効果が期待できます。
一般的な融雪剤は、塩化カルシウムなどによる化学反応の熱で雪を溶かしますが、灰は濡れると黒くなり日光の熱を集めることで温度が上がり雪を溶かします。
灰があるなら、お金をかけずに雪を溶かすことができるのでとても便利です。
でも、雪が溶けたあとは道路や庭が灰で黒く汚れてしまうというデメリットも。
雪の降る地域にお住まいの場合は、灰を撒く場所を考えて使うといいですね。
灰とお湯をかけると山菜のアク抜きができる
山菜などアクの強い野菜には、灰をまぶしてお湯をかけてしばらく置くことでアク抜きができます。
灰はアルカリ性なので水に溶かして山菜にかけることでアク抜きができ、さらに繊維を柔らかくすることもできるんです!
祖母が採ってきたワラビに灰をかけているところを見て、「食べ物に灰をかけるってどういうこと⁉」と思っていましたがこういうことだったのですね、納得です。
まとめ
- 焚き火をした後の灰をきちんと処理しないと、環境や次のキャンパーへ迷惑がかかってしまう
- 一度炭になると自然には還らないので、土に埋めて処理してはいけない
- 焚き火の基本は自然に燃え切るまで待つことなので、薪を細くしたり消火したい時間を逆算したり、余裕を持って行動する
- どうしても時間がない場合には、水に入れて消火する方法もあるが、火傷に十分注意する
- 焚き火台を洗う場合には、必ず焚き火台専用の洗い場を使い、炊事用の洗い場は使わない
- 焚き火で残った炭や灰を自宅に持ち帰る場合は専用の道具を使い、自治体の分別方法に従って処理する
- 持ち運びや保管の場所を取るが、火消し壺なら炭や灰の燃え残りも安全に処理できる
- 保管方法や持ち運びが簡単な火消し袋は、入れる炭や灰の量によって大きさを選べる
- BBQ用の厚手のアルミホイルは、専用の道具がないのに炭や灰を持ち帰らなければいけない時の最終手段として知っておくと良い
- 灰には殺菌効果や防虫効果があり、焚き火ででた灰も再利用して生活に活かすことができる
焚き火を楽しんだ後は、環境や人に配慮して安心安全に炭や灰を処理しましょう。
焚き火はしたいけど、炭や灰の処理が大変で嫌だなと感じる場合は、事前にキャンプ場に灰捨て場があるかの確認を忘れずに!
炭や灰を自宅に持ち帰ることができるようになれば、どこのキャンプ場でも焚き火が楽しめるようになりますよ。
ぜひ、炭や灰を安全に処理できるようになって、焚き火を楽しんでくださいね♪